1年間にいくつ負けられる?6場所黒星数の限界

90敗できるのは横綱だけ?

勝利数は大鵬、玉の海の84勝6敗があるが、大関でも毎場所全敗なら6場所目は幕下で7敗しかできない。横綱大関が全敗もまずあり得ず理論上は70敗が限界か。54杯以上の力士は年6場所制の32.9~33.7の白龍山、大田山、東海、大乃浦、山ノ口から47.5~48.3の青葉城、吉王山まで89人。一旦54敗以上となると1場所ずれても54敗以上となること多く89人の6割以上の55人までが2回以上経験しており、89人の延べ回数では235回となる。最多が前田川の9回、常錦・廣川が7回。前田川は押し相撲だが、押し力士の常として大勝ちの一方調子を崩すと大負けを喫することが多いのである。幕内31場所中10勝以上5場所、10敗以上11場所と半数以上が偏っている。

最多敗は常錦と岩風の62敗。61敗が嶋錦、60敗が朝の海、前田川、豊國。嶋錦は61敗を2回、朝の海、前田川は60敗を2回経験、岩風も60敗が1度あり、60敗以上6人中4人、延べ10回中8回を高砂系で占めている。

(参考)読売大相撲昭和48年5月号 異色調査「1年間でいくつ負けられる?」

その後

勝星の1年間最多(任意の6場所)は白鵬の88勝2敗(平22.3~平23.1)が更新。2敗はいずれも稀勢の里である。空前絶後の記録か。

昭和48年以後の6場所最多敗数は62敗の雅山(平24.5~平25.1)か。雅山は平24.1に久しぶりに小結へ戻ったが3勝12敗、それ以後幕内下位で2場所勝ち越したが平24.9より2桁負けが続き、平25.3十両陥落。この場所も3勝12敗で引退となった。3勝2場所、5勝2場所というのが効いた形。61敗が勢。前頭1から十両8まで2桁負けを4度喫している。続く場所は12勝で優勝し不振を脱したが、1年後幕内から十両まで再び57敗を記録、幕下陥落後は休場が続き、名跡も空いたため3.5引退となった。60敗は三杉磯と矢後。三杉磯は引退までの6場所で記録。スタートの60.11は勝ち越したがそれ以降負け越し。5勝→4勝と星が悪くなり61.9に1勝14敗、引退となった。矢後は腰痛により成績不振、入幕2場所目から負け越し続きで十両で1場所勝ち越し以外は4勝が3場所で幕下陥落。その後持ち直したが再び幕下が長くなっている。

54敗となると引退間際の力士はかなりリスト入りになってしまうため56敗以上とした

以下に56敗以上のリスト。

期間 力士
62 24.5 - 25.3 雅山
61 30.9 - 1.7
4.5-5.3 志摩ノ海
60 60.11 - 61.9 三杉磯
1.5 - 2.3 矢後
4.7∸5.5 志摩ノ海
59 51.5 - 52.3 大鷲
60.3 - 61.1 鳳凰
2.9 - 3.7 板井
11.9 - 12.7 敷島
16.5 - 17.3 朝乃若
22.3 - 23.1 垣添
22.5 - 23.5 黒海
22.11- 23.11 黒海
24.7 - 25.5 若荒雄
30.3 - 31.1 荒鷲
58 51.1 - 51.11 大鷲
58.7 - 59.5 栃光
62.3 - 63.1 栃剣
2.9 - 3.7 陣岳
5.7 - 6.5 若翔洋
9.3 - 10.1 旭鷲山
9.5 - 10.3 旭鷲山
9.9 - 10.7 巌雄
19.1 - 19.11 十文字
20.7 - 21.5 北勝力
27.9 - 28.7 佐田の富士
28.1 - 28.11 佐田の富士
30.7 - 31.5
31.1 - 1.11 錦木
1.3 -2.1 矢後
4.3∸5.1 志摩ノ海
4.11∸5.9 東龍
57 55.7 - 56.5 鳳凰
62.3 - 63.1 大錦
62.7 - 63.5 佐田の海
62.9 - 63.7 前乃臻
3.9 - 4.7 若瀬川
7.3 - 8.1 琴別府
10.1 - 10.11 巌雄
10.3 - 11.1 巌雄
12.1 - 12.11 朝乃若
16.3 - 17.1 千代天山
19.1 19.11 栃乃花
22.1 - 22.11 垣添
24.1 - 24.11 雅山
24.3 - 25.1 寶智山
26.11 - 27.9 豪風
27.5 - 28.3 北太樹
30.1 ₋30.11 荒鷲
2.1 - 3.1
3.9∸4.7 志摩ノ海
56 51.1 - 51.11 高見山
51.3 - 52.1 大鷲
52.7 - 53.5 若獅子
58.11 - 59.9 天ノ山
61.1 - 61.11 飛騨乃花
8.5 - 9.3 寺尾
11.11 - 12.9 玉春日
17.1 - 17.11 燁司
19.3 - 20.1 春日錦
19.3 - 20.1 栃乃花
21.9 - 22.7 翔天狼
21.11 - 22.9 垣添
23.1 - 24.1 黒海
23.9 - 24.7 黒海
24.5 - 25.3 寶智山
27.7 - 28.5 北太樹
27.11 - 28.9 佐田の富士
28.3 - 29.1 照ノ富士
1.7 - 2.7 矢後
2.9 - 3.7 隠岐の海

(随時追加)

顔触れとしては引退間際の力士がほとんどである。三杉磯、大錦、若瀬川、栃乃花、雅山は最終場所、朝乃若は次場所前に引退、佐田の海、板井、陣岳は次場所引退している。異色は旭鷲山、鳳凰、照ノ富士などで旭鷲山は連勝連敗激しく入幕当初から年間55敗前後の場所が何度もありながら幕内を長年務めた。鳳凰は幕下陥落しながらめげず後に幕内復帰している。照ノ富士は次場所優勝決定戦出場、その後怪我で序二段まで陥落ながら復活し入幕。1年で横綱となった。大関時代の不振の程が分かる。

近年は志摩ノ海が何度も顔を出している。

50敗以上では北勝力の53敗(平17.5~18.3)は中に12勝3敗を挟んでるもので珍しい。黒瀬川の53敗(55.3~56.1)は金星3個獲得。十両のみの最多は星誕期、濱錦の54敗か。

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